『月華美刃 5巻』を読みました。
京で松家追放の真実を知ったカグヤは、松の帝と決着を。そして舞台は月へ。追悼を兼ねた鎮魂ライブで大量殺害を企てるイズミヤ。カグヤは止めることが出来るか!? 風雲急を告げる感動の完結巻!! (amazon内容紹介より。)
駆け足の展開が続いていたけれど、まさかの完結。最終巻。
…前作“TISTA”に引き続き打ち切りなのでしょうか………。(カバー折り返し作者コメントで謝罪されてましたけど…。)
イズミヤの過去、及びカグヤとの戦いはとても面白い。
対称的な2人、互いへの嫉妬。イズミヤの屈折した愛情などは素晴らしい。
松家の因縁とも合わせて、それぞれが過去の“家”のしくみや、しがらみに囚われていた所為で、誤解を招いたり素直になれなかったりなど…。
イズミヤが生きている人間に触れることができず、死んだときに…生きていた人間がただの肉塊と化したときに
その温もりを感じ、冷えていくことにも体温を感じるというそのセンス。良いですねぇ。
「この世界に 生きた人間がいる事が しっくりこないのよ」(P.163)
とかね。
単に愛情を、人に触れることを、温もりを感じることを求めるだけなので、そこからのトヨとカグヤの連携は展開的にもビンゴで。
カグヤがイズミヤを抱きしめたところは良いシーンでしたよ。
非常にいいまとまり方をしているとは思うのですが、個人的にはもう1巻ぶん続いてほしかったなー、というのはあります。カグヤ母・フジヤが改造されてて、そこからが怒涛の流れだったので、もっと葛藤みたいのが見たかったなー、というのはありますが。
巻末には描き下ろしで3年後の様子も。
『天上の月に御国あり』かー…。
ミクニいいキャラしてたなー。
月華美刃 5 (ジャンプコミックス)
(2012/03/02)
遠藤 達哉
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