藤麻無有彌の日記:||

藤麻無有彌(とーま・むゆみ)がダラダラしています。

“『マギ 11巻』読了。”

2012 01 23 マギ 11


『マギ 11巻』を読みました。

ザガンのダンジョンの中でザガン自体は追い詰めたものの、モルジアナが魔力を使いきりダウン。そこへアル・サーメンの者らが現れて…。


帯が示してるように『戦い』が中心の巻です。

表面的なバトルというのが当然なのですが、メインはアル・サーメンの刺客として現われたムスタシムの王女のトラウマとかでしょうね。

“『運命』を恨む”

ピングドラムを見てたときにも思ったことですけど、いかんともしがたい状態に置かれたとき…自ら別に望んだワケでも無いのに、不幸な境遇に見舞われてしまったとき、なるようになってしまってた事象は、自分の心の中で肯定できない存在となってしまって、それに抗いたくなってしまうもの。

抗うというか、まさに、呪う。
自分以外の運命を肯定できている存在を全て邪魔なものとして消し去りたいように。

『運命の逆流』
『逆流する魂を救う』
というのは、もともとはその運命の導きでは無かったことを正しいほうへ導くというコト…?

“自分の「運命」そのものを恨んだとき、その人のルフは黒く転じる。”(P.102)

この、ムスタシム王女が辿ってきた運命は、別に…というか仮に、アル・サーメンによるもので無かったとしても、自然発生した(?)人間の混乱の末の残虐な末路というのは、結局なるべくしてなってしまった悲しい出来事でそれは揺るがない。

けど、それは受け容れるしか無い。

“運命を恨むことは…不幸だからね。”(P.107)
と、大ゴマでフキダシが大きく取られてることもあるので、これが一番作者さんの言いたいところなのでしょうね…。このページはメッセージを多く含んでますから。

(まぁ、現実のこととして考えた際に それがどうかというのは甚だ疑問ではありますけどね。それは何に置いてもですが。…や、だからこそ大高先生は描きたかったんでしょうけどね。
 作品の中ではアリババのときのカシムのコトもありましたけど、現実の中において、たとえば震災であったりとか、原発であったりとか、不安を煽り不幸に付け込んだビジネスが成立するコトであったりとか。税金が無駄に浪費されていって後の世代に大きな負債を残していくこであったりとか。
 無差別殺人に巻き込まれて殺されるとか、不慮の事故で生涯に渡って健康に影響を及ぼす状態になるとか。
………こういうのも運命の必然っていう…ね。。。受け容れるしか無いという…。
立ち直るにしても 時間を要するものとかね。 …いや、なんとも言えませんけどね。)

この巻では描かれてませんでしたけど、ムスタシム王女がどう立ち直っていくか、どう自らの運命を受け容れていくか、というこの先は気になるところです。


本編としてはイスナーンから這って出てきた蛇が白龍を咬んだのが、今後、今回のダンジョンでメンタル面での弱さが露呈したところがアル・サーメンに付け込まれて黒いルフに染まってしまうのかどーか…。。。
(弱くて、ヘタレで、泣き虫な白龍(あとがきでのザガンに言われたこと)の性格も運命として変えられないのか。もし黒いルフに染まったらそれは白龍が“自分”に勝てなかったことになるのか…。それも気になるところです。)


アリババは成長してないことを嘆いていたけど、長く見ていきたいキャラだからなぁ…。
シャルルカンの戦いを近くで見たりしてるので、そういう小さなとこでの励みっぷりは良いですね。


今回の特典はこれまで同様の告知漫画ポストカードと、ビックリマギ☆シール。
シール19種だそうですが、アラジンとシャルルカンと練白瑛が入ってました☆

マギ 11 (少年サンデーコミックス)マギ 11 (少年サンデーコミックス)
(2012/01/18)
大高 忍

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