また、若くて才能のある人が彼岸へ渡る選択をしてしまった。
また なの。
なんなんだ。
ほんとになんなんだ。
こちらからは一見して、仕事に恵まれ、お金に恵まれ、センスも才能も備えて、先の仕事が決まってたり、関わった制作物が発表されるのを待たされるばかりだったハズで。
待ち望まれていたハズで。
色んなものを持っていて、期待されていて、待ち望まれていたハズで。
……それが重荷だったのかは分からないけれど、
そこまでよく知る人じゃないから、そりゃ知らないけど、
その報せを知ったときめちゃくちゃ悲しかったんだ。
全然詳しくない。ただ名前を知ってる人だ。ただその人の作品の一部に触れたことがあるだけだ。
でも悲しかった。
それはその人が選んだ選択だから、それが幸せな選択だったんだ とは言いたくない。
そんなの、不治の病とか、苦しんでいた納得できる理由を欲しがってしまう時点で失礼だ。
もう 知る由もない。
ただ、悲しい。
敢えて明るさを繕う世界が、明るさで繕われた作品が、泡沫の夢であったとしても。
あなたのように、なにかを『持っている』ワケではない私は、なにを手に入れたら、なにを転ばぬ先の杖としていられたら、平穏なこの先を過ごすことが出来るだろうか。