『放浪息子 15巻』を読みました。
思春期を彷徨い惑う少年と少女たちを優しく見つめるものがたり、感動の最終巻!二鳥修一と高槻よしの。小学5年生で出会ったふたりも、いつの間にか高校2年生へと成長。
女装をしていても、自分の身体に「男」を感じる修一。
モデルの仕事を始めて、男になりたい気持ちが薄れてきたよしの。
そんな「変化」に戸惑うふたりを、優しく見守る末広安那と千葉さおり。
そして、有賀誠も、他のみんなも、それぞれが「大人」への道を歩み出すのです……。
10年に渡り、思春期を揺れ動く少年と少女たちを鮮やかに描いてきた、志村貴子の大人気長編、ついに完結!
感動の最終15巻! (amazon内容紹介より)
これで終わりかー!
ここで終わりかー!
…っていうのが本音。
非常に難しい。
ベストな結末というかベターな結末というか。
うんとねー、かわいい男の子は「かわいい」って言われるから「かわいい」コトに自覚的になるから、かわいく在りたいって思うよ。
でも、『男の子の可愛さ』は『男の子が女装した可愛さ』には成り得ないって私は思ってます。
(リアルに考えても芸能界でそれがかみ合ってるのは今のところ“佐藤かよ”さんくらい。でもあくまで“今のところ”)
(あと、完全な女になる、と女装家はまた違うし。)
『男の子の可愛さ』と『女の子の可愛さ』は違います。
ジャ○ーズの若い男の子見ての『可愛いー!』ってコが女装しても、それは違うの。なんか違う。
にとりんは可愛くありたかった。
キュートでファニーで在りたかったんじゃないのかな。
自分の物語りをつくる過程の中で、何度もオナニーした っていうエピソードあるけど、私はこれをただの背徳感だと思ってる。
男の娘モノのエロマンガにありがちな。
チアガールの格好してあんなちゃんと抱き合ったりしてさ。
(あんなちゃんが「レズビアンってことになるのかな?」ってセリフに回答をあえて得てなかったけど、あんなちゃんはにとりんが好きだからレズっていうカタチには入らないんじゃないかなー。)
『放浪息子』の完結の、このラストはまさに、
“オレたちの戦いはこれからだ!”みたいなラストだよ、これは。
これまでの生き方を、これからの生き方を自覚的に表明していくことになるんだもの。もっと過酷。
(マコちゃんも割と大変。高槻くんや千葉さんは多分安定した。)
ただこれまでの中で、にとりんは色んな人に会ってきて、先駆者にも会ったし、理解者も反発者も触れてきたし、親・姉とも(ちょっと)衝突した。
ある意味、にとりんは自分の“質”を分かった上で、自らを被検体として、これまでわざわざ色々ぶつけて、実験していったんじゃないかとさえ言える。
にとりんはきっと強い。
土居くんじゃないけど、「二鳥こえー」みたいなww
だから仮ににとりんが今後加齢とともに自信が揺らぐときが来るかもしれないけど、バッキリ折れることは無いだろうと思う。
にとりんは強い。今後も強くなっていくと思う。
(二丁目の人たちの“強さ”に近しいかは不明ですけどね)
個人的にはその土居くんに対し、
「ノート回し読みされたことは一生忘れないから」って言ったところが大好きです☆
怨念サイコーっすww
志村先生お疲れ様でした。
巻末近況で入院とかあったくらいですので、ご養生くださいませ。
- 作者: 志村貴子
- 出版社/メーカー: エンターブレイン
- 発売日: 2013/08/28
- メディア: コミック
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