『ぼくらのへんたい 2巻』を読みました。
著者、三ヶ月連続刊行、第3弾。
まりか(青木裕太)、ユイ(木島亮介)、パロウ(田村 修) 3人は出会い、お互いの事情を知ることで距離を詰めていく。しかし、パロウがまりかに対してとった行動によって、3人の関係に亀裂が―――……。
思春期のハートを抱えた全ての皆様にお届けする、性別を超えた愛の物語。(単行本帯より一部改変引用。)
1巻の内容を忘れてたので読み返してから2巻へ。
1巻でのパロウのエピソードにあった、『度の合わないメガネをかけていたほうが…』『好きなものほど よく見えないほうがいい』っていうのが……ここ2日、ふみふみこさんの著書をずっと読んできてたので、同じような心情を別媒体で異なった表現をされてるなー、っていうのを今さらながら思いました。
で、2巻。
パロウの心情が誰にでもあるオヤジ的思考というか、年上男性…や、女性でもありえるよね。
『純粋無垢な かわいい子を 自分色に染めたい』っていう。
精神的にも染めたいし、物理的にも白く染めたいような。ね。
私事ですが、石川智晶さんが好きで、『美しければそれでいい』っていう歌があるのですが、
「誰もが純粋さを私に望むけど〜(中略)〜咲いている花を折って自分のものにするような 罪深いものばかり」
っていうフレーズが好きなんですけど、まさにこのままですよね。
このシーンが。
まりか(裕太)との幼馴染みがあるから仕方ないとはいえ、内容にあかねちゃんは絡んで欲しくなかったなー っていうのがありまして。『きっと無関係なんだから穢さないで』って読みながら思いました。(苦笑)
パロウ(田村 修)に出合ってしまったコトとかね。
あかねちゃん自身のパーソナルな悩みみたいなものが生理痛とともにちょっとここで出てくるけど、それを『女性嫌悪』とかになっていくと『放浪息子』に近い感じになってしまうんじゃないか…? とさえも思ってしまいますが、ま……『放浪息子』よりも危険な方向ですけどね。(笑)
ユイ(木島)が一番強くて脆い。
おそらく人格的にも一番オトナ…や、“大人びている”からこそ……なんだろ、周りのために頑張りすぎて、色々察してしまって押し殺して。他人や家族への親切や優しさが自身を静かに殺しているよね。
しかも自覚的だからこそ葛藤が根深く心を抉ってしまうだろうし。
後半はまりか(裕太)の迷走…?
新キャラ(?)のトモちはよく分からないなー。
「女装したままオナニーすると気持ちいいでしょ?」って言われて気にしてしまうことや、脳内でファンタジックな妄想を繰り広げていくことも、『さきくさの咲く頃』から引用すれば、それはまりかの“ひとりよがり”なコトで、純粋ぶってナチュラルに可愛い子ぶってる自分を自覚していて、その“お花畑”からキラキラした体験へと連れ出してくれる王子様みたいなのを待ってるような。
被害妄想になりかねないえげつなさ。私はそんなこと望んでない。けど、メチャクチャにしてほしい。みたいな? エロマンガかよ…。とでも思ってしまいますけど。
ラストではファンタジックな世界がどうやら“見えなく”なってるみたいなので(?)、“ひとりよがり”ではなくなるのかもしれませんが。
巻末オマケまんがで、ユイ(=木島亮介(本名)=りょーちん(あだ名))の友達周辺が。
“りょーちん”がたぶんきっと、一番人間関係が家族以外では恵まれてるので、ダークサイドに落ちて欲しくないなー って思う。
りょーちんが周りのために、誰かのために怒ることが出来る人だからこそ、周りにこういう人がいるのはいいね。りょーちん本人がきっとなんとも思ってなくても、友達や彼女やらは優しいひとたち。少し救われるね。
ぼくらのへんたい 2 (リュウコミックス)
(2013/01/12)
ふみ ふみこ
商品詳細を見る