藤麻無有彌の日記:||

藤麻無有彌(とーま・むゆみ)がダラダラしています。

“【ACIDMAN】:『[ALBUM] ALMA』を聞いた。”

ACIDMANおよそ1年ぶりのNEWアルバム『ALMA』を聞きました。

歌詞カードを見ながら、じっくり通して聞いたんですが 内容はとてもシンプルで分かり易いものでした。

曲の並びはいつも通り、序盤ハードなナンバーが続いて、このアルバムの核となる曲、“ALMA”があって、インストがあって、バラードが続き、最後の“ワンダーランド”で幕を下ろすワケですが。

いつもはその最後の曲に全てが詰まってるのですが、インタビューに『2枚組にもなったかもしれない』とあった通り、アルバムの核は“ALMA”なんですが、“ワンダーランド”で外に開いていく、希望を感じさせるものになっていました。

引っかかった曲は、先ず “ノエル”。曲の全編バラード調で静かな空気。サビの部分でヴォーカルを強調する箇所はあれど、曲調は穏やかなまま。

歌詞に太陽も月も無いようなことを表現しているから というだけでもなく、非常に暗い場所にいる。そんな景色が浮かぶ。 曲自体の終わり方もすごく静かに消えて往くような。

で、そのまま次の“ALMA”という曲に繋がって、たくさんの星屑を覗く。

歌詞カードの写真も、今回 それが感じ易かったですね。“ALMA”の歌詞が載ってる次のページは字が一切ない星空の画でね。

インスト、“真っ白な夜に” ここからが後半、

次に引っかかったのが“レガートの森” 一番装飾の無い曲。歌詞もかなりシンプル。

『僕らはまだ色を探している』とか、『人はただじっとしていられずに 深い命に悩み続けて』とか。 ね。

私は この詩に近い内容のものを 谷川俊太郎さんの言葉で見たような気がしたので、尚更気になったのかもしれませんが。

生きるだけで良かったのに、“余計なもの”に煩わされるから… みたいな。

そしてこの曲の終わりかたから、非常にダンスな曲の雰囲気(ラテン?)を感じつつ、次の曲、“Final Dance Scene”。

新しい試みというかー。サトマ、頑張ったんだろうなー なんて聞きながら思いました。(笑)

韻を踏んでる?というか、歌い方のアプローチが聴いてて面白かったです。

歌詞は“レガートの森”に引き続くような感じで、在るものへの不満と無関心さで、大切であり基盤でもあるようなものなのに ないがしろにしている。それを憂いて けど 呼びかけているような。

“2145年”。『ロボットが心を持つ時が来たら…』という想像の上にある曲。

聞いていて ムックの“リブラ”を思い出しました。『感情は邪魔になるだけの世界さ』っていうフレーズを。“リブラ”も生きるコトを問う曲でしたからね。

心がある所為で、傷つけあい、悲しむのなら 心なんて欲しくなかった。というような。

けどそこで傷ついた感情を 行為で埋めて心を抱く。そこに小さいながらも希望があるような。

そして締めくくりが“ワンダーランド”。

冒頭の歌詞、『この世界はあまりにも鋭くて 心はもう耐えられないほどに』から、現代をストレートに象徴しています。

この‘不思議の国’を夢でなく現実で在るようにする為に、愛で溢れるようにとの 地に足付いた希望であるように。

湖の水は‘愛’と喩えてるようですが、実際 渇いた心を潤す という意味でも可ではないでしょうか。

その湖に水の流れをつくるのは 自発的でなければいけないのかもしれませんが。

アルバムで歌詞に‘心’という言葉が多く見られたのはインタビューによると意図されてたみたいですね。“ALMA”という曲が核になっているだけあって。

‘こころ’‘たましい’‘愛しい人’という意味があるから、アルバム『ALMA』に ‘心’という星をちりばめたのでしょうか。

今回のアルバムは日本語詞ばかりでしたので、ちゃんと言葉が自分の中に入ってきましたね。どうしても英語詞があるとわかんなくなってしまうので。(笑)

MUSICAだったかのインタビューで、大木氏が『夢と希望は違う』というようなことがあって、(インタビューにあった言葉とは違う表現かもしれませんがご了承をば。)今はただ 生きるコト自体に希望も乏しい時代だから、未来に希望という光を当てるための、立ち返る作品ではないでしょうか。

アルバムの後半が特に聞きやすかったです。

↓“ALMA”インタビュー(外部リンク)

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