藤麻無有彌の日記:||

藤麻無有彌(とーま・むゆみ)がダラダラしています。

“駄文 50”

[外部リンク] : 『乙武さん入店拒否問題で考える「セレブ意識の客、セレブ意識の店」』(モフモフ社長の矛盾メモ
)


先週末にツイッターをキッカケに起きたこと。
別に障害者とか関係ないですよ。ただのサービス業とお客さんの間で起きたトラブルっていうだけで。

だから外野がとやかく言えることでは無いんですけど、サービス業をずっとやってきた私にしてみたらお客さんからのクレームなんてフツーにありますから。
ただそれをネットに世界中に発信することは無いんじゃないの?っていう 店名を晒してまですることかね ってう、それは思いますよ。


「どこどこの店で不適当な応対をされた」にしても、それをオフの場で友達同士で喋るならいいんですよ。
けどそれがフォロワー60万人の人が目にするような場所で しかも二次的に広がったワケで。

あと乙武さんは“ひどい物言いを受けた”というツイートをされてましたけど、それを受けての店主の方のツイートは“丁重にお断りさせて頂いた。”そうですし。
『正義は自分の立場からしか語れない』って何度か書いてますけど(近いエントリでマギの感想でも書いたけど)、それもあるし。また被害者(?)側は受けた言動を自分なりに解釈する可能性もあるから正確なニュアンスもわからないし。(これは上記のリンク先記事でもブロガーさんが記してましたけど。)

[ブログ内リンク] : “『マギ 17巻』読了。”



ちょっと経験談
長いことサービス業やってきてたので、クレームというかそういうのはよくあるんですけど、
「自分(客)が来店したときに、その商品が無いのはおかしい!」
と激昂されたこともありますし。(別に予約承ってた商品じゃない店頭のものだから そりゃ売り切れたら無くなるんですけどね…。まぁ常備できてなきゃいけないんでしょうけど、不測に売れることもありまして…。や、言い訳なのかもしれませんけどね。)

ましてウチも人少なかったりしたもので、待たせてしまうものですよ。
「なんで人がおらんのや!」
って言われますけど、人件費削減して会社・店がどうにかやってる っていうのはニュースでご覧の通り。

少ない人員でまわしてるサービス業が多くて(且つ 従事者は対して給料ないし と。)、なのにちゃんと対応しないといけない。
(これは過去エントリでも介護業界について書いたと思いますけど。)
(リンク先記事にも日本のサービス業の要求水準の高さが指摘されてます。)






で、
車椅子についてですけど、以前『バリバラ』でなんかの企画で車椅子使っていると必要以上に「すいません」と言ってしまう っていうコトで、カンニング竹山さんが仮に同じ立場でやってみようってことでやってたんですね。

竹山さんはガチで良い人だからw、それはもうことあるごとに申し訳なさそうにしてしまうもので…。

車椅子じゃないと生活できない人が介助者の友人とともに旅行するっていう回も見ましたけど、たしか予約の際にもろもろの事情の旨を行き先のお店とかに伝えていたと思うんですよね。(詳しい内容は忘れましたが。)
わりと綿密なプランを立てて 友人とともに海に行ったり、どこかのお店に行ったときには高さの合うテーブルをお店の方がご用意されて二人で一緒にゴハンしててさ。

別の車椅子の方は友人何名かと一緒に温泉旅行を楽しんでるのもやってましたし。

乙武さんは『バリバラ』にゲストで出られたこともありますけど、この回はご覧にならなかったのでしょうか。
それとも自分には関係ない と思われたのでしょうか。





今回、乙武さんは予約されたというけれど、どこまでの情報を相手に伝えたんだろう?
“何名でご来店の予定ですか?”
あと、“乙武さんが来る”ということは明らかに車椅子で来ることは想像できるでしょうけど(予約時に電話なら『あの乙武さん!』ってなるでしょうし。そうそう無い苗字でしょうから。)、そのときの店も予約来店人数が一名だった場合、店のつくりがやや不利であることを双方が承知であったのかどうか。とかね。

単にお互いのコミュニケーション不足が問題。それが発端ですよねと。




ところで個人的には乙武さんが、クレームツイートをしたあと、「また行きますね!」と。そしてお店の方のツイッターでも「お待ちしております!」と和解されたそうですけど、
なんていうのかなー…、クレームとして一方的に怒り飛ばしたあとに、最後には「いやいや悪かったね、そういうこともあるね。また来るから宜しくね(^^)」という手法がなんか気持ち悪い。(意図ではないのかもしれませんが、私がそう解釈したものです。)
上記の経験談でのお客さんの言葉でも実際あったんですけど、“最後にいい人で終わろうとする”のがすっごく気持ち悪い。(このとき感じた理由からね。)
店側への理解じゃないですよこれは…“和解”とは違う。要望を押し付けて、受け容れさせて「ありがとう!理解してくれて!」みたいな。893的手法に感じたのよ。

いい人を見せたがる気持ち悪さ。“立場を守ったまま(相手の価値観を理解しないまま)”いい人になる気持ち悪さ。
私の感情的にここが一番気持ち悪かった。



(更新後追記。乙武さんがHPに長文書いたものを読みました。)

[外部リンク] : 『イタリアン入店拒否について』(乙武洋匡オフィシャルサイト)

やっぱりバリアフリーあんまり関係ないような気がしますね。
双方の言い分に齟齬があったこと、そこから感情的になったことが原因なんでしょうね。

なんでバリアフリー問題にしたんでしょうかね。
マギ感想で、自分が受けた抑圧などからのマイナス感情は完全に払拭できなく、それを関連付けた思想になってしまう と書きましたけど どこか関連してる気がしますね。

感情は価値観に基づく、感情は経験に基づく っていうけど、それをほんとうに“理解”するのは難しいものですね。


(さらに追記)
[外部リンク] : 『障害者側からみる乙武氏入店拒否問題その2』(まるみえ星人の日記)

気になったのは以下の部分。(以下 引用。)

これからしばらく、障害者が来店した場合の店の対応は表面的には良くなるかもしれません。

だとしたら、そのホスピタリティは優しさとか多様性を認めるものからくるのものではなく、

「クレームつけられて店の評判落とされたらどうしよう」という恐怖感からくるものだと思います。

(以上 引用。赤字は無臼が色つけしたもの。)

この指摘はその通りですよね。
行動の動機は“愛”か“恐怖”かの2つしかないと言うそうです。
“恐れ”からの行動をさせることが 優しさにはなり得にくいですよね。