藤麻無有彌の日記:||

藤麻無有彌(とーま・むゆみ)がダラダラしています。

“【amber gris】 : 『pomander』を聞いた。”

amber gris、1stフルアルバム、『pomander』を聞きました。

2012 02 02 pomander


…とはいえ、半年前に発売されたものでして、そしてオフィシャルで出た当時にすぐ購入し、ずっと聞いてましたけど、レヴューとしてはまだ書いてませんでしたので、ここに ようやく。

曲解説冊子、『hollow sound』も購入し、曲制作の背景なども読んだのですが、

2012 02 02 hollow sound


先ずこれ、限定盤Aタイプと称されるものと、CD盤のみBタイプとでは、曲順が異なるのですね。

CDに付いてる帯の曲目順は、アルファベット順表記になってるだけで、CD開いて歌詞カード最初で曲順が書いてありまして。


当方はAタイプを購入したのでその順に。

1曲目、“in sickness and in health...”  意味は『健やかなるときも、病めるときも…』という結婚式のそれ だそうです。
単純に、1曲目らしい感じだと思います。はじまりの音を告げる。強い決意のようなもの。
音も聖堂で鳴るような、パイプオルガンのような音が響く感じ? …この音はギターシンセだそうですが。
解説本では『PIERROTの潤くんだ』とありましたけど、ラーだった私としてはどこかニヤリとも。

2曲目、“wishstar and sunlight and darkness.” そしてこちらは2曲目らしい曲。(笑)
cali≠gariの何かのインタビューでも、この位置にはライブ定番曲というか右肩上がりに盛り上がっていく曲が配置されてる(『10』でいう“マッキーナ”、『11』でいう“JAP ザ リパー”のような。)とあったもので、
この、“wishstar and sunlight and darkness.”も、それに相応しいものかと。

曲を聴いた印象・イメージとしては、すごく朝方4時とか5時くらいに、たくさんの流れ星を家族で眺めてるような画が浮かびました。
歌詞の内容が、『夜明けが訪れるそのときまで』『夜明けの瞬間』とか、『もう少し、夜更かししてお話がしたいの』という物語らせるフレーズはあるものの、音像が上記に示した画を頭の中に映しましたね。

印象としてすごく好きな曲。包まれていたい と思わせる曲ですね。

解説本でも『光と光と光と光』という仮タイトルで作曲者のkaname氏が付けて、手鞠氏が『光が映えるのは闇があるから』としてこのタイトルになったのも頷ける。

3曲目、“MillionDead Baby Songs”
解説本では当初メロコア想定していたそうですが、全く異なる方向へ。(笑)
で、手鞠氏は『厚い積雪の雪原を膝でかきわけて進む』という表現をされたとか。

聴いたイメージと歌詞の内容と解説本を合わせた中での私の印象としては、この曲のイントロで、
森の入口に木製の扉があって……、なんていうか ドラクエ5で 大人になった主人公が、“迷いの森”を通って、“妖精の国”へ向かう過程のような感じ。
実際、プレイの中で森の中を抜けて、その妖精の国(城)に行くと、そこは雪の中ですからね。


4曲目、“feel me”  これは聴き手が多くを語ることが陳腐である…曲をそのまま受け取ることが大切…とも言えるし、また、大きく反論も出来てしまったりする。静かで温かくて。…けど、とても難しい。
kaname氏からの『独りじゃないよ』という意味を込めたこと、手鞠氏がそれを受けて『孤独とは何かを深く考えること』 …が この曲に込められてるそうですが、

想ってくれる誰かがいることが素晴らしいのか、自分が誰かを想えることが素晴らしいのか。
当然、双方が近しい感情で想いを寄せているならそれは理想であるのかもしれないですが、そうもいかない状態(常態)の中で……相手か、自分かの どちらかが“欠落”していたとしても 想いを祈り捧ぐことが出来るのかな…。
この曲では『届かなくても、誰もいなくても…』という意思の強さを秘めていく(過程)が込められているのかなと。


5曲目、“Room No.13”  暗い曲です。暗い詞です。
解説本で、手鞠氏が『一種の救い的なものを書いたつもり』とありましたが、よくわかりませんでした。(苦笑)
『夜を閉ざす雨音』が しいて言うならば、追い込まれる状況を作り出すことでもあるし、またそこからの解放でもある 両方の意味を持つのかなと。


6曲目、“H u m m i n g b a r d ' s”  曲はとてもロック。で、歌詞もこれはストーリー仕立てでは無いというコトだそうで。
タイトルが半角スペース空いてるのが気になってましたけど、絵的なものを示してるんだそうな。
私ゃてっきり、強調・誇張する表現として(スタッカートを打つような)スペースが空いてるのかと思ってました。


7曲目、“Awake or asleep”  頭のドラムが行進曲で、音はぐにゃぐにゃと。
寝ても覚めても』という意味で、kaname氏が震災当時のどうにもならない怒りの感情を込めたとか。
手鞠氏の歌詞はなんだかよくわからないパレードを表されたようで。

ぐちゃぐちゃでカオティックなんだけど、それでも毅然と物事は成立をしているというアンバランスさの 違和感と、「規律正しいようすを強いられる」ような。混沌という日常 を感じました。


8曲目、“ファラウェイ、ファラウェイ。” amber grisらしいというか、手鞠氏らしい、ピクニック出掛ける的な曲…という第一印象。

作曲者wayne氏によると、『草原を走る列車は北へ』という仮タイトルだそうで、聴いた感じではポジティブな印象だったんですが、不安とかを表してるそうで、手鞠氏もそれに近しい表現で歌詞を彩ってますけど。
ホント、ピクニック出掛けるかと思ったくらいに爽やかでポップ。
wayne氏が作曲した意図のコメントにあった、『誰も手の届かないところへ行きたい』というのは背景次第ではポジティブともネガティブとも取れますものね。


9曲目、“hazy moon luvgaze.” こちらも爽快なポップロック
歌詞は過去を思い出してるような。
何かが『終わった』あとで、…それ自体はとてもツラい大変なことだったかもしれないけれど、どんな楽しいことがあった? どれだけかキズを負ったかもしれないけど、今なら笑えるよねー。 …って、親しい誰かと話してるような。
歌詞の最後の「今は幸せかい?」というのが象徴的。

10曲目、“浴室の人魚” 解説本を読んで歌詞を見ると、歌詞はシンプルな内容。
流されるままの日々に自由を失って、ここから抜け出せたらいいのに と、自由に焦がれて悩んでるような。

解説本による、作曲者wayne氏の鬱屈した(?)心理状態も歌詞には反映されてるようで。
ある意味で、kaname氏作曲の“Awake or asleep”に、内面の様子は似ているような気がします。
“浴室の人魚”は鬱、鬱屈とした中からの想像やら妄想やらあこがれ・理想を描いてるけど、
“Awake or asleep”は、躁状態も孕んでるような、この曲との対比が感じられるというか。


11曲目、“element of soul” 個人的に、この曲が“feel me”と対(というか近似値の曲)になってると思いました。
解説本+歌詞で、結局、この世を構成するものが何も無かったとしても存在する意味を求める。と。
解説本より、『表現者としての意味を下さい』という、それは手鞠氏の本音なんでしょうけど、孤独の意味を問うた“feel me”の方が、強い 印象を受けたので、正直、この曲がラストでは弱いかもしれないと思いました。

何故なら、この世を構成するエレメントが無い、ということは、歌を歌っても…や、歌じゃなくても何か表現をしようとしたときに 伝わらない要素が増すワケで。そこで他者へ意味を求めるのは、姿勢を汲み取ってほしいという願望……悪い意味では依存や甘えになるのでしょうか。
空気を振動させて伝達することもままならない、それでも伝えたい意思が、意志があるという、意味の捻出を自身から繰り出したもののほうが、とても強いと思うので。

ただ、この曲はある意味で弱さの表明でもあるので、それ自体がラストに来ているのは強さでもあるというパラドックスもあるのかと。純粋な弱さを差し出すことはとても強いので。
同じく逆説的に、“feel me”は 強がり をしているとも取れるので。



なんでしょう…、重厚な…は違いますね、充実したアルバムですね。サラッと聴けるんですけど、聴いてて満足感はある。そんな感じかしら。



Aタイプ付属のDVDは“feel me”PV。
amber grisは広がる世界のような空気を出してくれるので、そういった映像かと思ったら室内。
ただ、本に包まれた室内なので、内面世界の広がりを暗喩してるんだろうか…なんて思ったり。


オフィシャルHPで購入したので、特典で、『僕たちの旅 2011』が。
ライブ映像がチラッと入ってたけど、それよりもオフショットのほうが見ごたえあったわね。

で、それはそうとして、チーム分けトークが面白かった…www
手鞠氏、それ、土佐弁ちがう…www じぇけんのうは西郷どんじゃあ…w
げにまっこと…とか、……ぜよ。とか言わないと…。www
つか、順応性高ぇえ!w カード引くたびに瞬時に対応すな!…w

殊氏…ポールダンスやってほしかった。ウケすぎです…w
wayne氏も結構頑張ってたよね。オネエ唐突…。


kaname氏ハマるねぇ。 がんばるねぇ。w
KYOKUTOUラミさんはサービス精神旺盛なんだけど指令を強引に…ゴリ押ししすぎお…www

"hollow sound"のほうの付属DVDは、“feel me”PVメイキング。
合間合間におまいらイチャつきすぎだお☆

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(2011/07/20)
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