藤麻無有彌の日記:||

藤麻無有彌(とーま・むゆみ)がダラダラしています。

“『電波オデッセイ 2巻』読了。”

電波オデッセイ(2) (fukkan.com) (2巻)』を読みました。

“「苦しめられている」という思いは 実力以上に人を残酷にするね。”(P.142 byオデッセイ)

今巻の中核は、チカボンによる原さんへの仕打ち。

上記のオデッセイの言葉は色々取れるね。

立場も、解釈も、真実も。それを受け取る人がどのような行為に移るのか という。

チカボンの嫉妬みたいなものも、思い上がりや勘違いみたいなもの。
別に 原さんが電波でイっちゃってろうが、そんなの関わりなければ良いだけだったものね。
ただ、遠くから見てた焦がれる人と易々と喋ってる原さんがムカつく ってだけで『死ね』とか。ねぇ。

そう、別に 本来なら関わるハズのない人、関わりたくもない人とは完全スルー。無視ではなく、無関心でもあったハズ。

けど、たまたま自分の(この場合チカボンの)視界に入って き や が っ た 所為で、なんかムカつく っていう。

あぁしかしこれ、チカボン編って、クラス分けして終わりで。(チカボンが告白して現実に向き合った というのもあるのかもしれませんが。)
ダイレクトな復讐とかがあっても不思議ではないのにね。
“関心の対象から外れる”だけで解決してしまえる というのは原さんは寛大だなぁ。と思ったり、チカボンは勝手だなぁ と思ったり。

今巻の始まりと終わりはキタモリがメイン。
野川さん編では純粋な思いと勇気を。
しかし 28話からはキタモリの内面へ。
フツーで真面目だからねぇ…。勤勉に“作ってきた”自分を見てしまって、“自分には何も無い”コトを再確認させられてしまった。……と。これ、この考えの渦中にいると辛くて八方塞がりに感じるからね。

……っていうか一回旧版で読んでる私のくせに、感じるコト違うのよね。
そして旧版から何年か経った今の時代でも、チカボンみたく、思い通りにならないものに勝手に不幸を願いたくなる人はいたりねぇ。

巻末には描き下ろしの『テン天さま』2話目。
“世界を滅ぼすため”に使おうと思った“しあわせポイント”はプユプユの為に使用。
自分を貶めたヤツを貶めるコトで幸せになるか、自分の幸せのためにそれに尽くすコトを選ぶか、で後者を選択。
結婚式での様子はちょっと感動。そしてセリフ回しに少し噴いた。(笑)
「このクソ世界」て。w

ついつい不幸があると呪いたくなるえもしれぬ“世界”。それに対して“猶予をあげて下さい”という大きな一呼吸が、 少しな、けど大きい安心を授けてくれる。
次巻はとうとう巻末に原さんが登場するのかな。

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著者:永野のりこ
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