藤麻無有彌の日記:||

藤麻無有彌(とーま・むゆみ)がダラダラしています。

“『銀の匙 Silver Spoon 8巻』読了。”

銀の匙 Silver Spoon 8巻』を読みました。

前巻の続きで野球甲子園への予選で負けたあと駒場が学校に来なくなって… っていう話の続きから。


過去回で御影ん家でバイトした経緯で少し駒場ん家でバイトしたからこそ、駒場の家庭の事情に感情移入してしまうわね…八軒もだけど 読んでる私も。
離農するのに御影のじーちゃんの運転で駒場ん家に向かうときに、既に離農して廃墟化した農家の絵があったけど、これもその過去回で出てましたけどね。そんときは夜道でしたけど。
…イヤな伏線ですね…『離農したらこうなってしまう可能性』を先に明示して、結果そうなる という。
(前に夜道に八軒がここを歩いて通ったときにはなんとも思わなかった(というか他人事?)だろうけど、今回は駒場の家のことがあるから自分ごとのようにモノローグが入ってますよね。)


『農業やってれば飢え死にしない。まさに“銀の匙”』
という、やっとタイトルの意味・逸話が紹介されたこの回(第63話)で、駒場牧場の離農が明らかになるというエグさ。
ウチもさー、米農家(兼業)だけどさー(前にもブログの過去エントリで書いたと思うけど)、やることの面倒さとかもあるけど、お金かかることもあるからね。コンバインとかもね。ウチのよく機械止まるから。そのメンテ、もしくは壊れたときに買うとなったときの金額とかさ。
銀の匙過去回で、駒場ん家の機械がちょっとトラブったときに、なんとかしてまた使えるようにしてたと思うけど、買うの大変やからね。)

実際米農家でもやめる人もチラホラいてて、田んぼがただのレンゲの草原になってるとことか見ますから。
土地もただ何もしてないだけで持ってても資産税(だっけ?)でお金かかるから(持ってる土地をどう使ってるかでの価値が違ったハズ)。


倒産するくだりを聞いてから、八軒は先生方などに金儲けの話を聞きに行ってるけど、そんなやすやすといい話なんてあるワケがないですよ畜産産業。
手間隙かけていいものつくってるんだったら尚更“ラクにたくさん儲ける”なんてあり得ないことですよ。
(これを前日エントリの“戦力外労働力”の話と合わせて読もう☆)

前に御影んとこでバイトしたときに、自分で牛乳だーだー流してしまったときに、酪農農家にどれだけ手元にお金が残るかをアタマのいい八軒は計算してたけど、まぁそういうコトで。
(タマコの家みたいに振り切ってしまってればいいんでしょうけど…規模とお金が違うからね。)


で、
こういうシビアな話なんだけど、それでも『“やりたい事”が目指せなくなること』の怖さがあるからこそ、“やりたい事”にしっかりと向き合うことになった御影がすごいというか。(支えた八軒がすごいというか。ww)
借金がバリバリあって、駒場ん家の保証人ぶんもあって、じーちゃんが馬を可愛がる画を見せて「馬を手放す」決断をするとか。

寮で駒場を見送るときの八軒のセリフの、
「本当は煮えたぎってるくせに!簡単にそんな言葉吐くな!!!」(P.59)
があるからこそ。
「しょうがない」なんて言葉で“怒りを内包した「諦める」”を口になんてなかなか出来ないよな。



御影のバカさ加減はこれから八軒が頑張っていくのでしょうw


アニメ始まってます。
序盤見てると、あれだけ始めは学業と労働ばかりで大変だったのに、作中時間が経過した原作では積極的になってるんだもんなぁ。
アニメで見ると馬とか、体感感覚は漫画以上に感じて面白いです。

画像は初回版。あと書店特典など。

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