藤麻無有彌の日記:||

藤麻無有彌(とーま・むゆみ)がダラダラしています。

“『3月のライオン 7巻』読了。”

2012 03 25 3月のライオン 7巻


3月のライオン 7巻』を読みました。

ひなちゃんのイジメ問題の(一応の)解決。新人賞獲得後の零くんの学校での様子や、宗谷名人との対局に向けてなど〜…。


ひなちゃんのクラスでの様相について、先ず、先生が崩れてしまった件。
ここで先生が『堰を切ったように喋り続けた』内容が素晴らしく本音。
抱えることの出来ない、弱い先生だとどうしてもそうなってしまうんだろうなぁ、っていういい見本だよね。(反面教師な。)
先生個人のメンタリティとしては擁護できなくもないけど、“先生”としては失格なんだろうかね。
逆に言うと、そこまでハードな『教育』という職務(責務)に耐えられないといけない・全うしなければいけない …だなんて難儀なものだ。

高城さんの反省してないっぷりとかも素晴らしい。(皮肉)
これは高城・親の、『ウチの娘に限って』的な溺愛(?)から来ているものなのか、『(盲目的に)正しいことをしているのに何が問題あるのか』と陶酔してるのか。
高城さんがイジメをしようとしたキッカケに関しては、国分先生が問い詰める中でポロポロ話してたけど、作中セリフ通り“全く理由にならない”ですからね。
この、 根 幹 が 。
明らかになり、改めない限り、排他的な考え方や攻撃性は変わらないんでしょうけどね。


(一応の)解決となった、のは、国分先生(学年主任)のお陰ですね。ホント素晴らしい。(賛辞)


いましたよ、私の通ってた学校にも、中高年くらいで、体格もそこそこで、非常に温厚な面持ちなんだけど、押さえるところはちゃんと 押 さ え る 。そんな先生。声も確かにはっきりしてたな。


作中で解決の手段として、イジメに関わった主要な生徒を個別で別々の先生と面談し、クラスに残った生徒から国分先生自らがクラスの状態についての本音を引き出す、という手法はうまい。これはすごい。


この解決は、漫画というフィクションの世界と、現実の・リアルな世界でのコトと比べて考えると、ベターな落としどころだったんじゃないでしょうか。

作中のこのことを “(一応の)解決”というのは、イジメの問題が、“明らかになったこと”、“今後、このクラスでイジメが起こる 見 通 し が無くなったこと”だと思うので。
高城さんが、考え方を改めることでは無いから。

『自覚』させることが出来るのか。『教える』ことが出来ても、『育てる』ことが出来るのか。
『自覚』も ままならないのに。
…そう思うので。



それにしても、ひなちゃんは強いな。
たぶん、そこまで強くはないのかもしれないけど。

三者面談で一緒についてきてくれたおねいちゃんがちょっと参ってしまったときに支えてたりとか。
裏打ちとして、『“味方”でいてくれてるんだ』っていう、それだけで、もう嬉しいから、そこが強みになってるのかな。
もちろん零くんも。


零くんのエピソードに関しては、宗谷名人対決に期待されてるコトもだけど、学校での将科部での様子が微笑ましかった。
一人でずっと暗闇の中を、手探りでただひたすら生きるために歩き続けていたのに、いつの間にか自分のしてきたことを一緒に喜んでくれる人が出来た。これほど嬉しいことはないですよ。

なんで期待してくれるんだろう。 なんで一緒に喜んでくれるんだろう。
そんな疑問が浮かばなくも無いけれど、ただ純粋に喜んでくれることが嬉しくて、今まで暗闇を歩いてきた零くん自身を肯定してくれてる気がして。
この嬉しさの感覚は代え難いものだね。



にしても野口くん…、生徒じゃないよアンタ…w

今巻は色々なエピソード満載で、勿論ギャグパートも健在☆

将棋部が将棋教室になろうとしてることとか。
岳人さまの天然っぷりとか。(笑)
島田さんの安定感とか。(笑)

次巻はいよいよ宗谷名人との記念対局へ。
なによりその 将棋に臨むスタイルというか、精神性が楽しみ。

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羽海野 チカ

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