藤麻無有彌の日記:||

藤麻無有彌(とーま・むゆみ)がダラダラしています。

“【高橋ツトム】 : 『ヒトヒトリフタリ 1巻』読了。”

『SIDOOH -士道-』の連載を終え、ヤングジャンプ誌上で始まった 高橋ツトム氏の新作。
『ヒトヒトリフタリ 1巻』を読みました。

霊界に住むリヨンは授業をサボってばかりいる少女の霊。ある日、校長より人間の守護霊として修行することを命じられる。だが、リヨンが憑くことになったヒトは、余命わずか一年半の日本国総理大臣だった…。高橋ツトムが描く新たなる魂と生命の物語、ここに開幕!(カバー裏・内容紹介より。)

冒頭の印象から、『スカイハイ』っぽいなー、とは思いました。
リヨンが外の世界に出てきて、上から今の日本の街並みを眺めるような画の心象は、過去の『スカイハイ』で出てきた表現に通じるところがあります。

しかしこの、「(総理は)孤独なんや」っていうセリフとともにこのシチュエーションが、どこかで見たことあるような印象とゆーかデジャヴ感があるのよねぇ。…過去の高橋ツトム作品だったかなぁ…。
森達也さんの書籍かなんかだったかなぁ。(色々うろ覚え。違ってたらスマソ。)

どんな善人で 高い志(こころざし)を持ってても、政治の世界に入ると 利権によって信念が揺らいだり、利権を阻まれることを懸念する金欲に染まった政治家に消されたりなどする、という、純粋な視点で始まってるのではないでしょうか。
『普通に生きてりゃそれなりに幸せだったろう』
っていうセリフもありましたし。

人間の本来生きるべき道や、気質、それを活かしてフツーにしてれば何事もなく順調に人生は進むもの。それに対して肯定的な影響をもたらすものもいれば、否定的な影響をもたらすものも居る。それに翻弄されて人生は舵取りを自ら握るか、取られるかが分かれるところ。
今作では、『人は一人では生きていけない』ことを、誰と共に歩むのが一番正しいかを判別するのが極めて難儀な“政治”の世界(大概が欲望に立脚した価値観から判断材料を起こしてるので、“善意”や“正しいこと”が表面ではアテにならないのは明白。)で、誰かと協力して生きていく(主人公は総理大臣でもあるので。や、リヨンが主人公なんだけど、リヨンはナビする係のようなものだから。)ことを描こうとしてるのではないでしょうか。


この巻ではまだ、総理が守護霊であるリヨンを把握したところで終わっており、まだ始まったばかり。
作中の総理に期待。

ヒトヒトリフタリ 1 (ヤングジャンプコミックス)ヒトヒトリフタリ 1 (ヤングジャンプコミックス)
(2012/02/17)
高橋 ツトム

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