藤麻無有彌の日記:||

藤麻無有彌(とーま・むゆみ)がダラダラしています。

“『ONE PIECE 65巻』読了。”

ONE PIECE 65巻』を読みました。

バンダー・デッケンがノアをしらほしに向けて投げることによって、魚人島に被害が出るおそれが…。そこでしらほしは注意を逸らそうと一人動き、またそれを機にホーディ・ジョーンズが攻撃をしようとしたり。ルフィがノアが魚人島にぶつかるのを防ごうと…。

……という内容なのですが。
さすがにバトルシーンが……,ちょっと……。リュウボシと、マンボシがやられたところとかね…。
あと、回想シーンが、何年か前の過去の話だと枠外を黒く塗りつぶしてて、数分前のがトーン処理で過去だと表してあったのですが、
その数分前のシーンが、海のトーンを近い番号をおそらく貼ってると思うので。(62番と、63番かな。)
そのへんが見づらかったのです……。


ストーリーとしての主軸はおそらく『怨みの連鎖を断ち切る』ことだと思うんですよ。
ホーディの、別段、自分が人間に何かされたわけでは無いけれど、人間を怨むことを理由につけている。…っていうこともね。…たぶん、尾田先生が言いたいことはすごく大切なことだと思うんですよ。

なんというか、『仮想敵を作る』というような、そういう幻想を抱き続けている状況を憂いているんだろうな、っていうこととかね。
オトヒメ王妃が人間と和睦を目指すことを指していたのでは無く、人間と交流を持つ際にただ怒りや怨念だけで見てしまう人がいること(何かの対象に触れるとき、自ずと何故か敵意や怒りが湧いてしまうような感情が 自分の中にあるということ)と、どう向き合うかが欠けていたからこその、今回のホーディの攻撃だと思うので。

で、兄ほしが、
「過去などいらない!!! ゼロにしてくれ!!!」
っていうセリフもすごい大事だと思うの。
思い込みや 自分を維持してた価値観を一度無くすことだから。

(このブログを読んでこられてる方ならお分かりかもしれませんが、過去のエントリで、『アイデンティティを解体する』とか書いてきてましたけど、まぁ、それとも関連しますわね。“因果を断ち切る” っていうか…。)

で、
マダム・シャーリーが、
「自分の目でごらんよっ!! (中略) まっすぐな目で見なきゃいけないよ!!」
っていうのも、過去や、誰かの様々な情報に惑わされるな。自分で物事の正しいを判断しなくてはならない。

……っていうことをきっと伝えたいと思うんですけどね。




でも人は価値観や、信じるものを惑わされるし。あるときは不要な自己責任を突きつけられたりもする。
そして自己嫌悪で自責の念に囚われる人もいる一方、特定の誰かを怨んだりする人もいる。
(枠外を黒くしてた回想シーンで、人間を怨むようなエピソードを肯定してるのも、自分に都合のいい出来事を材料として用いてるだけだから。(でも、他者の意見の 自分にとっての肯定材料を、無自覚に収集してるということを意識的に排斥することってなかなか厳しいと思いますけどね。))

…こうならないように、自分を律することが大事だと諭すような言葉を示しても、それが届くかどうかは甚だ疑問。
(別にこれは尾田っちを批難してるワケではなく、単純に難儀なことだから。)
また、書いたことで心を届けたを慢心してもいけないし。
(これは私自身がこういうコトを書いてても、全く 暖簾に腕押し だったから。)


そういった意味では人種・種族差別というよりか、同じ種族でありながらも、意識の持ちようの違いが生み出した…軋轢が生み出した惨事なんですよね。
…こういうの描くの…難しいとは思いますけど。


巻末イラストギャラリーで、その兄ほしの良いセリフを、
「カロリーなど…!!!(以下ry)」
とした投稿作はGJ☆だと思った。あれは良かった。(笑)

ONE PIECE 65 (ジャンプコミックス)ONE PIECE 65 (ジャンプコミックス)
(2012/02/03)
尾田 栄一郎

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