藤麻無有彌の日記:||

藤麻無有彌(とーま・むゆみ)がダラダラしています。

“『るろうに剣心―特筆版― 下巻』読了。”

るろうに剣心―特筆版― 下巻』を読みました。

斉藤編の続きから刃衛編まで。そしてこれで終わり。という。

映画キッカケで始まった『キネマ版』が長く続いてしまって、正直熱も冷めてきたころの昨今、映画第2弾がコミック発売に合わせて発表されるというなんというタイミング。…当初は半年で終わるみたいでしたけど。



上巻の頃から時間が経過しているので弥彦が成長してるのが良かった。


ページ途中の和月さんの文章にもあるんですけど、今回のリビルド版は難しかったんだろうなーって思いますよ。
エヴァの新劇みたいに結末を変えてオリジナル展開にするならともかく、読者はもう基本ストーリーを知ってて、そこに別解釈によるお祭り型キャストとして番神やらが関わってるだけだし。
だから剣心の内面にフォーカス っていう指針だったそうですけど、結果的にそうはならず。

私的にはやっぱり弥彦が読んでて一番葛藤も成長も見れたなー って思うのです。
赤べこで一人残されての燕ちゃんとの会話や、観柳に言われて悩むこと、啖呵を切るところなど、これほどに見守りたくなる・成長を嬉しく見れるキャラになったことを この2冊のリビルドで感じたことはデカイと思いました。
最終的に赤べこで働きながら、その給料を半分ずつ目的に使うなど、それもカッコいいし。

『取引を蹴ったところが見せ場でそのあとはオマケ』
とFREE TALKにあったのですが、そのオマケに相当するであろうその直後のページからの8話の弥彦の戦いとモノローグは良かったですよホント。



その他。
斉藤は剣心との距離が近くなったと感じる一方で、左之助がだいぶキャラ弱くなった印象。うーん。
刃衛は旧作のほうが恐怖感は大きかったような気がするんだけどなー。

和月さんが当初描こうと思ってらした、『剣心の内面』は単発(短期連載)では描写が難儀だったでしょうね。それはやはりあのコミックス28巻ぶんのこれまでを見てきてるがゆえもあるんですけど。

今回のラスボスである刃衛では剣心の内面を引き出せないんじゃないですかね。だから難しかったんじゃないかと。対峙するキャラ次第で内面を引き出すんだから、志々雄か…それとも宗次郎くらいかなぁ。

宗次郎と対峙するのをしっかり描いて、斉藤が横槍入れるくらいだったら剣心の内面をしっかり出せたのかなぁ。
…ただし重くなるだろうけど。


リビルドという試み・再び『剣心の新作』が読めた というのは素直に嬉しい思いがありますが、パラレルやるなら結末を変えてみるというのも読んでみたかったり、
上巻のFREE TALKでも触れられてた『北海道編』や弥彦メインの話かを読んでみたかったなー っていうのは正直な気持ちです。

実写映画の第2弾。きっと見に行くと思いますよー。

るろうに剣心─特筆版─ 下巻 (ジャンプコミックス)るろうに剣心─特筆版─ 下巻 (ジャンプコミックス)
(2013/07/04)
和月 伸宏

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