藤麻無有彌の日記:||

藤麻無有彌(とーま・むゆみ)がダラダラしています。

“【映画・テレビ】 : 『ハゲタカ』を見た。”

『映画・ハゲタカ』を見ました。

BSプレミアムでやってたのを録画しておいたのを見ました。
予備知識はまるでなく、大森南朋さんが主演だ ってコト以外の知識はまったくないです。
ビジネス…TOBだ投資だ って話にも疎いですし、NHKで連続ドラマをやってたのも見たことはありません。

なんとなくの素人が見た感想です。

かつてやり手のファンドマネージャーだった人が事実上引退して隠遁生活送ってたのを、旧知の知人の頼みで依頼を受け、会社再建に手を貸そうとしてるんだなー、と。
そこへ中国ファンドが買収を仕掛けてきて、技術だけパクって経営権執ろうとしてんじゃね? …っていう戦いだろうな って なんとなく見てました。

その1800円だか2000円だかどんどん金額が上がっていくところはまるでオークションをしているようで 大掛かりなことをやって“商品”という“会社”を落札しようとしてんだなー と。


個人的には高良健吾くん演じる派遣作業員の立場が共感。
高良健吾くんは『最近の若者感』がいつもよく出てますわー。

劉一華(玉山鉄二)が目をつけ、工場に来たときに偉いオッサンを指して言った実働と収入についての矛盾とかね。

…正社員に対しての憧れとかあるものなのかなぁ。そこはどう描きたかったのか分からないですね。


エンケンさんはいつものエンケンさんでした。



玉山鉄二さんは芝居が素晴らしい。お金に対してのどん欲具合とかね。

どうしても守山派遣社員(高良健吾)とのシーンが一番強く残るんですけど、お金があればなんでもできるみたいな。部屋で400万円渡して、要らないとバラ撒いてからの必死に取るサマとかね。
実に惨めで素晴らしかったです。
そこで「たかだか400万」と言って、さらにポケットから再び帯付き出すとかしないで、貪欲にお金を拾う、その執着具合が。実に滑稽で面白かった。


鷲津(大森南朋)ファンドはどうやって経営してるんだろう。。。

松田龍平くんカッコいい。(『あまちゃん』見てます。)


最後、株価の下落を誘発させてどんどん価格が下がっていくのはとても面白かった。



CLICが関わって、中国国家として経営権を手にし、中国市場での雇用獲得を目指してた…という劉一華が知らなかったとされることがある中、
劉はかつて夢見て憧れたアカマ自動車を本気で再生させたかったんじゃないか…ってくだりとか、芝野(アカマ執行役員柴田恭兵)も夢見て憧れたからだというセリフがあったと思うけど、
結局そういう想いが・感情が込められてないと本気で再建できない っていうか、企業としての波に乗れない ってことを言いたいのかな。それは技術だけが革新して ただマーケットを把握すればいい っていう表面じゃなくて。

作中にもありましたけど、“日本のものづくり”というものがどうしても礼讃される傾向があるんだけど。
それを儲ける側とか、海外進出だとか広めようとする側の人間に、どれだけ感情が入ってるかだなんて分からなくて。どうしても勝ち馬に乗っかろうとしてるだけにしか見れないんですよ。ビジネス的な部分だけね。
や、今思ったのはヲタな私としてはクールジャパン()とかいうアレについてですけどね。
だって未だにマンガとかアニメに対しての偏見あるのにアニメをマンガとかいう世代の人がどれだけちゃんと海外展開しようとしてんの? って。   表現規制も言いながら?

って思った。
話逸れたけど。



劉一華が強盗(?)に襲われてそのまま結局死んでしまった?のもなんともなぁ っていう。
手段はよろしくなかったかもしれないし、国家の犬だっただけかもしれないけど、アカマ自動車に対しての想いとかは本物だったワケでしょう。素性を偽ってたにも関わらず。
それがいくら報いだとしてもこんなカタチで社会から退場してしまう…っていうストーリーは救いが無いようにも感じました。



世の中はカネでしょうよ。(投げ気味に)
けどそれをよく扱う方々には想いが欠落してるんじゃないか っていうのが結論で?




予備知識あったほうが面白いんでしょうけど、それがなくても現実とリンクさせててそれなりに楽しめました。
何年後かに見たら他人事のようにバカ笑いして見る作品に変わるのかなぁ。

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