藤麻無有彌の日記:||

藤麻無有彌(とーま・むゆみ)がダラダラしています。

”『百舌谷さん逆上する 8巻』読了。”

百舌谷さん逆上する 8巻』を読みました。


読んでてもはやいつから何故こんな過去話になっていったのか経緯を忘れてしまいましたが、なんか面白かった☆
(もともとなんとなく葛原さんが過去の百舌谷さんと関わった話が始まりだったとはいえ、ここまで長くなるとわね…。)

篠房六郎先生ヤクザの抗争とか描かれるの好きですね。(『黙殺』もそうでしたけど)というか描写がさすがです!

頭の良いキャラと、天然で話が噛み合わないキャラと、保身ばかりで狡猾なキャラとか。意図を推し量ったり 齟齬が生じたりするのが面白い。
それなのにきっちりと百舌谷さんの病気は健在で、ツンデレが始めの頃は葛原さんに通じなかったり。
……まぁ、読んでて途中まで明らかにおバカな天然具合を炸裂させてた葛原(未来)さんが、急に頭がキレ出したのはなんでだろう? とは思いましたけど。

葛原・父の外道っぷりがよくわかるのはあったものの、一部でウソをついてでも未来を守りたい一心があったりなど、百舌谷さんといい、父親といい、葛原さんの周辺にはストレートに愛情を示してくれる人がいないっていう…なんとまぁ。。。
父親が窮地のときに娘に「愛してる」と繰り返したり、母親が自身が拘束されたときに母親ヅラする滑稽さ。
カワイソウな人たちなんでしょうねぇ。(皮肉ではなく)勘違いがいも絡んだのかもしれないけどさ。

妹の涼璃だけが唯一純粋だったのが救い。

…っていうか、過去話っていう独立した話なのに、キャラが個性出し過ぎ。確立しすぎ。ほんとすごいわ。
本郷さんハードボイルドすぎるだろう。カッコいいわぁ。
300円で依頼を請け負うとか どこの『職業、殺し屋』だよ。w

つか、7巻で過去話に行く前に、本郷さんと あのデカいのが出てて。葛原さんと本郷さんが対立した(?)シーンがあったけど、本郷さんと葛原さんの関係はその過去から関係がちょっと変化したんでしょうかねぇ。

そして話全体の温度を持つ、希望(愛情)と絶望について。
希望の薄明かりがどれだけ人を路頭に迷わせるか。絶望にどれだけ安堵を覚えるか。
一緒に海に沈もうとした っていうのが分かりやすい葛原さんの表現でしたな。



話的には 百舌谷さんの母親についても触れるなど、充実したエピソードでしたよ。
これはメインの話にも関わってくる部分でしょうかね。
最後の駅のホームでの別れ際とかはこれまでの流れ上 ある意味 予想された展開だけどそれがよかった。

いい過去話でしたよ。

ま、今回の敢闘賞は達規さんでしたけどね。w
葛原さんとのよくわからない恋。百舌谷さんのために奮闘するのにどこか空回りしたり、海に飛び込む無謀。葛原さんとのキスなど。ナニがなんやら。w

百舌谷さん逆上する(8) (アフタヌーンKC)百舌谷さん逆上する(8) (アフタヌーンKC)
(2012/06/22)
篠房 六郎

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