藤麻無有彌の日記:||

藤麻無有彌(とーま・むゆみ)がダラダラしています。

“【古屋兎丸】 : 『人間失格 3巻』読了。”

古屋兎丸氏による現代版コミカライズ『人間失格 3巻』読了。
完結巻。


もともと、太宰治による『人間失格』自体が、普遍的な作品という感じであり、それが現代版という体を為しているから、尚 痛々しさは増しているのかと。

さすがに葉蔵みたいにまで転落していくコトは無いにしても、それに至る経緯。…道化を演じることや、信頼という恐怖。こういうのは普段から現代を見ていても感じる節はあるのではないでしょうか。



古屋さんのブログによると、ラスト50ページのための今作だとあって。

それは確かに第12話で感じるところで。
『どうして絶望を治す医者はいない?』
とか、その辺りから、
『僕を抱きしめて』
って辺りまでがね。
これまで生きてきた中で、全て周りによって『自分』は作られて、周りの機嫌ばかり伺ってきてて。前巻までにもあった、ただ何も考えずに体だけ求め合っていればラクだった。とか。
ただ、純粋に『自分』のことを愛して欲しかった …という。



…うん、もぉ、これさぁ、フツーに今でも在るコトだからね。
葉蔵のように考える人もいれば、堀木のように善意で責める人とかさ。
…そこから生まれる苦しみも、何も変わらない。



あと、あとがきにありましたけど、作品を救いある方に導いた古屋先生に敬意を。
太宰治の小説“人間失格”が読めない人は漫画版をお薦めです。