藤麻無有彌の日記:||

藤麻無有彌(とーま・むゆみ)がダラダラしています。

“『心がフッと軽くなる「瞬間の心理学」』読了。”

名越康文 著、『心がフッと軽くなる「瞬間の心理学」 角川SSC新書』を読みました。

先日久々にパソから名越先生のHP覗いたら更新されてまして、Twitterを始められたコト。そして新刊を出されたコトを知りまして。
で、本書を購入致しました。

この前、『仏教対人心理学読本』を読んだ後、こちらの本を読んだからか、仏教的な見解など 読んでて共通項もしばしば。
仕事の項に“自分らしさが出せれば〜…”という小題がありましたが、ま…言葉尻をつつくようで申し訳ないですが、小池氏の上記の本で“自分ッ!”は無い とありまして。で、対談文中で“自分らしさ”とは書かれてないんですね。『自分なりのやり方で』とか『創意工夫して〜』とは ありましたけど。
“こだわり”を押しつけるではなく〜…、と記してあるコトからも、“自分らしさ”の“自分”に囚われるコトなく視点を変えて仕事にのぞむ。…というコトだと思いましたけどね。

三毒や、名越先生が瞑想されてること。
また、一つ一つの行動を意識して行なうなども。
出掛ける時の支度が習慣化されていて、自動操縦のようになってしまってる。
ブレーキを踏みながらアクセルを踏んでる状態(P.67)とか、『頑張る』という感覚を持つ時は『嫌なことを頑張る』というニュアンスになることが多い。(P.68)とか。
何かを考えながらでも、習慣化されているので惰性でなんでも行動できてしまう。だから“今”を捉える。今してる行動を意識する。そうして集中力を高めていくコトがネガティブに囚われてどうにもならないコトを少しずつ排していくとか。

それは後半の、“働くこと、生きがい”の章でも、社会的な不安がある中、本来『人生、一寸先は闇』だから だから『今、ここ』を、『今を生きよう』と。(P.139)そうして“今”を充実させるコトが好循環をもたらす可能性が増すのでは。と。

…ま、『のちに良いコトが起きるために今を集中しろ』とか、『将来の君が豊かな人生を歩むために今しておくことが重要なんだ』なんて言うことは 推測でしかないし、良いコトが起きるかなんて目先の利益目的で叶わなかったらガッカリでまたネガティブの思考に〜…。なんて考え方も出来てしまいますが(後者なんて“目先の利益”が主になってしまう言い方とも取れるし。)。
欲とか迷いで“自分”が勘違いすることなく、今を充実させること が大切と。
他人との比較や評価にこだわって、動けないと何も出来ないワケで。

それは夢についての項でも、

夢に関する記述が面白い。これは小池龍之介さんの言う『本当にしたいこと』の疑問に繋がる。
名越さんの『二番煎じじゃないか』とか。

“僕はそもそも人生において、そんなに大きな夢が必要だとは思っていないんです。”“実際に成功した人も、実は瞬間瞬間で『今、ここ』の問題にシンプルに取り組み続けた結果だという気がします。逆に『今、ここ』の状態に満足できず、必要な努力も怠り、華やかな勝ち組になった自分の姿を夢見ている。こういう態度は、成功という『幻想の虜』になっているだけです。”(P.143-144)

たしか江原さんの発言か何かで、仮にそこで(大した努力もなしに)大きな夢がポーンと成功しても、実力が伴わなくてその世界に居続けるコトが難しくなる とかあったような。
それが“今、ここ”の“過程を充実させる”コトの大切さだと取れるのではないでしょうか。

おわりの方に少し書かれてます、『“仕事”と“愛情”の混同』も興味深かったです。(P.187辺り)
『フォローしあうと同時に自由になろうという努力』――……これは先ず自分の心の状態を客観視しないといけないのかな。

対談形式で読みやすい本でした。
大切なコトとしてよく記してあったのが、『小さな能動性』と『“今、ここ”を大切にする』こと。
“思考→言葉→行動”と、自然な経過を経て行動を起こしているつもりですが、“行動”にフォーカスするコトによって、思考がクリアになり、さらに良い行動の循環、今の連続 を 生み出していけるのではないでしょうか。

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