藤麻無有彌の日記:||

藤麻無有彌(とーま・むゆみ)がダラダラしています。

“『FILE090:「新型インフルエンザの真実」』を見た。”

爆笑問題のニッポンの教養
2009.11.03.O.A.
FILE090 『新型インフルエンザの真実』 を見ました。

ウイルス学。
河岡義裕(かわおかよしひろ)
東京大学医科学研究所教授。


以下、河岡先生の発言を中心に内容をざっくりと。

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河岡:『鳥のインフルエンザウイルスが パンデミックを起こすであろう っていうのは想定していた。でも ブタ由来のウイルスがパンデミックを起こす っていうのは 誰も想定していなかったんです。
    っていうかブタのインフルエンザウイルスって 普段 人に感染してるんですよ。けど 今まで人から人へ 伝播していなかったんですよ。
    鳥インフルエンザほどではない。けど 季節性のインフルエンザよりは病原性が強いので注意しないといけないんです。』

太田氏から、芸能界でも罹った人はいるけど、治って復帰しているので、そこまで心配しなくていいのでは? と。
河岡:『大部分の人は治療しなくても治るんです。それは世界的にそうなんです。 ところがごく一部若い人で 全然病気も何もない人が感染して重症化しているんです。
    季節性のインフルエンザウイルスって肺ではあんまり増えないんです。でも今回のは肺で増えるので ウイルスで肺炎になる。 ウイルスで肺炎を起こしてしまうと、ある程度進行してしまうと治療できない。』

河岡:『スペイン風邪に感染した人たちは、今回の新型ウイルスに反応するような抗体がある。』

河岡:『賛否両論があるんですけど、そういうこと(映画・感染列島で そういう状況が起こり得る可能性を示さないと、対策を)やらないですからね。』

太田氏から、前タミフルを投与された小さい子がおかしな状態になったことがありましたけど、それは大丈夫なんですか と聞く。
河岡:『それは調査しないといけないことですが、タミフルを投与していれば治ったかもしれない人がいる。それを考えなければいけない。』


河岡:『インフルエンザかなって思う症状 のどが痛い、発熱、筋肉痛、関節痛があれば、できるだけ早く治療を受ける。で、抗インフルエンザ薬を飲めば 重症化の可能性は非常に少なくなります。ワクチンは優先順位が決まっていますけど、順番に当たった人は受けると。
    だけど非常に大事なことがあって、ワクチンっていうのは副作用とか副反応のないワクチンってないんですよ。で、重度のワクチン副作用も報告されていて――…。
    単純計算で絶対重度の副作用っていうのがあるわけです。受ける方の人たちは ちゃんとしっかり認識していないといけない。(副作用が)出たからといって騒ぎ立てると ワクチン対策そのものが成り立たなくなります。』

(前は学童の 集団予防接種をやっていたのに、一部マスコミが異論を唱えて 予防接種がなくなってしまった けど)
河岡:『学童の集団接種をすることによって 世の中にいるインフルエンザの数を減らし、お年寄りにかかる割合っていうか 確率を減らしている。それが今 ようやっと分かってきたんです。』

田中:『よく テレビで マスクと あと手洗いとうがい これの効果。』
河岡:『(マスクの)編み目はウイルスは通るんです。でも感染している人が 咳とかくしゃみをして中から出てくる時はもっと塊で出てくる。塊はそこで封じ込めてしまうわけです。だから感染している人がマスクをする意味はすごくある。
    一方で感染していない人がマスクをしていると どういうメリットがあるかというと、飛沫が直接つかないし、飛沫のついた机などを触った手で直接 口などを触れないように防ぐ効果はある。 人ごみにいる時には マスクをする意味はあります。』


田中:『手洗い、うがいについて――…。』
河岡:『手洗いは非常に効果がある。インフルエンザウイルスは石鹸に非常に弱いので、洗うともう死んでしまうので しっかり洗えば大丈夫。
    うがい はですね、世界中でうがいを推奨している国は日本だけだと思います。そもそもうがいで洗えるところなんて限られてるじゃないですか。

    インフルエンザ(ウイルス感染の予防)に関しては(うがいは)意味がないと思います。』
田中:『先生はうがいしないんですか?』
河岡:『しないしない』
太田・田中:『先生うがいしないんですか!?』

河岡:『(水際対策――…)関西で学級閉鎖とかやって、いっぱい反論ありましたけど、あれのおかげで だいぶ流行が ばーっと下がったんです。あれで医療現場が準備を整えることができた。世界中でものすごく評価されてる。』
太田:『そういうこと あんまり言われないな』
河岡:『日本人の几帳面さがあるから成立するんです。』


太田:『強毒なものにパッと変わる可能性もあるんですか?』

河岡:『ウイルスとして成功するのはどういうやつかというと 一番よく増えるやつ。結果としてたまたま人が死んでいるということ。 結局 感染して 感染した相手をどんどん殺してしまうと ウイルスとして生き残れない。』
太田:『生き残ろうとするために強くなる。ウイルス自体が。矛盾するわけだけど、あんまり強くなりすぎると 今度 感染する場所がなくなっちゃうから 自分の居場所がなくなるわけだけど あまりにも弱いとすぐ――…。』
河岡:『ベストなものとしては、増えるけれども 病気をあまり起こさない っていうのが残っていくんです。もともとはブタのインフルエンザウイルスが人に入って、その過程で、過程はそのウイルスがよく増えるっていうので 選ばれるんだけども、その段階ではたまたま よく増えすぎて人も死んでしまった。』
田中:『で、路線変更するわけですね。』
河岡:『ウイルスは どんどんどんどん変わっていて、環境に一番いいのが選ばれて残っているだけの話なんですよ。』


河岡:『鳥インフルエンザはやっぱり怖いです。問題は ブタ由来のインフルエンザが流行したことで 現場の人たちはそちらに集中せざるをえない。』
太田:『鳥は放っておかれて 手薄になってるんだ。』
河岡:『それは非常に怖いです。』

田中:『今 言っただけでも、鳥インフルエンザだエボラだ何だ ウイルスって何かどんどんやってきますよね。このウイルスと人類の戦いはいつまで続くんですか?』
河岡:『ずーっとです。
    すべてのものを駆逐してしまうような病原体って多分ないんです。感染症って100%じゃないので 我々が知らないウイルスとかっていっぱいいるんですよね。まだ人間が触れてないだけで。 これから森林破壊とか そういうことで人間が接すれば 今まで知らなかったような病気がまた出てきます。』


(――最近やたら増えているものについて、その理由。)
河岡:『本来ならば人間が接しなかったような動物とかに接することによって人が感染する。もうひとつは やっぱり交通網。本来は風土病で終わっていたものが 社会が開かれているので いろいろなところに広がっていく。その2つだと思いますけどね。』


“未知なるウイルス
 飼い慣らせるまで 闘いは続く。”


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前に、
“FILE040:「ウイルス その奇妙な生き方」”でも、ウイルスの生きる特性については番組でやっていたので、“寄生して生きている”から宿主を殺してしまってはウイルス自身が生き残れない。

だからまぁ、自然淘汰って言葉が番組中にも出てたと思うんですけど、いずれはどこかで歯止めがきくというか。 仮に 新型インフルに感染した人が増えたとしても、死に至るなんてコトは増加しないんじゃないか…。
…と、楽観的に考えてしまうんですが。

このO.A.のあったあと、“世界一受けたい授業”でも新型インフルの特集(?)があって、手洗いをきちんとやるかで 感染予防になるとか言ってたような。

うがいに関しては…どうなんでしょうか。
河岡先生はしない、っていうんですが。
まぁ、何処かで聞いた話ですが、いきなり うがいをガーッ ってやると、口ん中にある外からもらってきたかもしれないウイルスが、いきなり喉まで行ってしまうかもしれないから、うがいやる時には一旦 口ん中をすすいでから、うがいした方が良いとか聞いたような。…気がしますが。(^^;

インフル対策は いずれにせよ、手洗いなどの小さな対策をしっかりして、十分な休養をとるコトが大切なんだろうな と思いました。