藤麻無有彌の日記:||

藤麻無有彌(とーま・むゆみ)がダラダラしています。

“『るろうに剣心 -特筆版- 上巻』読了。”

るろうに剣心 -特筆版- 上巻』を読みました。


や、正直誰もが思うことなのかもしれませんけど、先ず、和月先生がこういう『自身のヒット作の続編』を描く っていうのは思ってなかったのでちょっとガッカリ って思ってたんです。

(ジャンプSQ.で『るろ剣』やる って発表があったときにね。)

それで描かれるなら『北海道編』がどうせなら読みたい!(←矛盾してるよねー。w) って思ってたので、いざ蓋を開けてみたら…読んでみたら…最初っからで・セルフリメイクって…。(^q^)

だからSQ.でとりあえず1話だけ読んでみたときは「う〜ん…」って感じでした。



けど、こうして単行本でしっかり通して読んでみると、意外に良かったというか…。
特に弥彦と薫との絡みの部分で、2人を助けるという構成が違和感なく、そして結果 神谷道場で自然と3人がのんびり暮らしてる っていう、その描写がなんか安心するというか。(特に2話冒頭)

左之助が居座る・剣心に関わる経緯に関してはやや強引な感じは否めませんが…。(苦笑)


零幕は大味でコメディ要素たっぷりでしたね。
本筋としては最後に1話に繋げるコトが重要だったのかもしれないですけど。読み切りだからか『ドタバタマンガ』感がね。


で、
違和感…っていうか仕方ないコトなんでしょうけど、和月先生、絵が上手くなられた…っていうか線がすっごくキレイになってきてるんですね。それは勿論『武装錬金』から思ってたコトですけど、過去の『るろ剣』とどうしても比べてしまうからなんですけど……。良いことなんですけどね。
ギャグの部分が…コメディの描写が記号化されてるのが…なんかつまらない? …うーん適切な言葉が浮かばないんだけど。
P.23の最後のコマ、剣心と弥彦のギャグ描写とか、同じ目と口してますし。…全体的な剣心のギャグのノリ(1話での神谷道場をボロ道場と言うところや、零幕での人力車タダ乗りのやりとりとか)とか、「おろ」のときの表情が『決まって』しまってたりとか。
『剣心』の後半でもこういう描写じゃなかった気がするんだけどねー…。『武装錬金』はちょっとあったかもしれないけど、あれはカズキの性格がすっとぼけてるからアリだったのも一つのような…。

零幕で、泣いてる子どもと倒れてる母親が登場したカット(P.107・1コマ目)は『あまりにもキレイな悲劇』みたいで(子どもの「ぶえぇぇぇん」って泣くコマ(同・7コマ目)とか)緊迫感が感じられにくかったとゆーか…。
(その後のコマで母親に表情が入ってたり、子どもの悲痛の表情もあったりで、そこは安心したのですが…)
いくらコメディといえど…という…ねぇ。。。

どこか人間味が無いような…。うーん、優しさが前面に出てるシーンはそうとは思わないんだけど。
エンバーミング』なら人間味が無くて構わないんだけど。


あとがきですが、
パラレルは私も好きなので。んー、じゃあそう考えるとアリなんですかねぇ。その記号化された喜怒哀楽も。
映画があったから、っていうのが契機での今回なので、それは前向きにこういう味もいいのかな。

…ただ『北海道編』は読んでみたい っていうのはやっぱりあるのですが。(←ワガママだのぅw)

続編として問題なら宗次郎のスピンオフでも。



けどパラレルワールドはやっぱ好きなんですよねぇ。
人生は全て選択の連続で、出合う入り口が異なればどうなるのか っていうのは考えてしまうものですからね。
あとがきで和月先生が書かれてますけど、キャラの魅力が変わるワケでは無い ので、ベーシックなものは変わらず、辿る経過が異なるだけで行き着くところは同じ(少なくとも剣心と薫に関しては)ですからね。
TVアニメで原作の話が足らないからオリジナルエピソードを挟むのも同じようなものかな。“こういう道も辿ってた”っていうIFの世界みたいなものはね。

“大味”と“記号化”だけは気になってしまいましたけど…短期連載だからかもしれませんが…もっと時間がたっぷりあれば、剣心と薫の別の歩み方がしっかり見れたのかもね。

……つか、本書を読んで旧版…つかオリジナルを取り出して読み返してしまって。(笑)
やっぱ面白いな、るろ剣

るろうに剣心─特筆版─ 上巻 (ジャンプコミックス)るろうに剣心─特筆版─ 上巻 (ジャンプコミックス)
(2012/09/04)
和月 伸宏

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