藤麻無有彌の日記:||

藤麻無有彌(とーま・むゆみ)がダラダラしています。

“『田辺イエロウ短編集 フェイク!』読了。”

田辺イエロウ短編集 フェイク! (少年サンデーコミックス)』を読みました。

結界師の作者による短編集。


収録順に。

「LOST PRINCESS」
作者コメントにもありましたが、ミリペンが気になって仕方がなかったです…。(笑)
表紙もミリペンによるものだそうですから、描き方が変わったのでしょうけど。

この作品に関しては線が単調なのが気になってしまいました。肌のアウトラインとか、髪とか服のシワとかの線がね…。
話はすごくシンプルに感じました。
逆に言うと 残らなかった っていうのもあったんですけどね。


「読切版 結界師
話としては好きです。
ただ良守がオッサンくさいのがねー…。
ですけど、巻末の今風の描き方で描かれたキャラの「読切版 結界師」の良守はなかなかのカッコ良さ!
これ本編にも出してほしかったくらいですよ。


「フェイク!」
左手に印があって、甘いもの好き …っていうのが誰かさんに似てますが。(笑)
この作品が一番トータルでバランスのあるものに思えました。
作者コメントもありましたけど、(意図の是非はともかくとして)作者のメッセージみたいなものは割とストレートに表されてるんじゃないでしょうか。
結構好きです。


「バースデイ」
ギャグ漫画でページも他より少なめ。
『いきすぎた愛情はギャグになる』というのは分かりますけどね…。(笑)
あぁ、だけど折角のギャグ漫画なら、もっとやりすぎて欲しかったなー。
地球ぶっ壊すくらいのノリでもいいよなー。
折角ツタンカーメンなら、もういっちょスフィンクスでも作って、犬のごとく暴れまわって住宅街を破壊するっていうのも見たかったかもー。


「闇の中」
田辺イエロウ先生の投稿作。新人コミック大賞少年部門佳作受賞作。

これが一番好きです。
回想シーンがところどころ挟まれてる部分の読みにくさは多少ありますが、それを差し引いてもこれは面白い。
作者コメントと、本編ラストにある「ヒントはたくさんあったのに…」というセリフも含めて読み込ませるものが作品にはありますね。
しかしハッピーエンドじゃないのにね。作品の力なのかしら。


で、巻末に今の画風での過去作のイラストがあるのですが、どれもカッコいいんですよねー。
田辺イエロウ先生の次回作に期待です。

田辺イエロウ短編集 フェイク! (少年サンデーコミックス) Book 田辺イエロウ短編集 フェイク! (少年サンデーコミックス)

著者:田辺 イエロウ
販売元:小学館
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